ディア ハンター

M:こんにちは。ミッシェルです。

G:どーも、ジョージです。待ってましたよ。

  ようやく映画館で、この映画を見られる。40年ぶりに、4Kでデジタル修復版が

  出て、公開だという。1978年公開の映画で、いい映画だ、いい映画だと話題に

  なってたんだよ。俺は、中学生くらいかな。だから、見れなくて。それから

  ずーっと見てないんだ。ようやく全編通して見られる。

M:見てなかったの?

G:いや、テレビとかで、断片的にね。ベトナム戦争だとかロシアンルーレットのシーンが

  すごいとは聞いていたよ。でも、実際どんなのかは、わからなかった。

  だいたい、ディアハンターとベトナム戦争が、どう結び付くのかわからなかった。

  ディアハンター、親愛なる狩人様?じゃなくて、鹿のハンターとわかるまでも

  時間がかかったし、鹿のハンターとベトナム戦争、ロシアンルーレットがまったく

  結びつかなかった。今回、前編見て、やっとあーそうだったのかと思うね。

  でも、公開当時、見たとしても、理解できなかっただろうな。

  なんなんだ?この映画はって思っちゃう。

M:鉄鋼所や、結婚式までの準備、式当日が、延々と映し出されるでしょ。

  一体、いつになったら、物語は、始まるのかジリジリして見てた。

G:そうだろ。これをね、家でビデオで見てたら、きっと飽きちゃって、

  すっ飛ばしてるところだよ。映画館で見るから、じっと見ていられる。

  この前段があって、こうした平凡な若者たちを、ベトナム戦争をはさむことによって、

  180度運命が変わるということを描いているんだよね。平凡が非凡に

  なっちまった。

  結婚の約束までしたのに、なぜ、ロシアンルーレットで死ななくちゃなら

  なかったのか。理不尽だよな。

  なぜ、健康な身体を持っていたのに、両足を失わなければならなかったのか。

  これも理不尽だ。ベトナム戦争さえ、なければ、こんなことには、ならなかった。

  ノー天気に仕事終わったら、酒飲んで、ビリヤードやって、女の尻追い回して

  生きていけたのに。

M:あの延々として、日常生活が映し出されるから、ベトナム戦争からの帰還後の

  変わりようの対比が生きてくるのね。

  しかし、ニックは、どうして、残ったんだろう。自分だけが助かったと思っちゃった

  のかしら。だから、罪の意識にさいなまれて。スティーブンが、生きて母国に

  帰ったことは知ったのよね。お金を送ってくるくらいだから。

  でも、負い目があったのかしら。

G:うーん、わからないな。なぜ、ニックは、残ったのか。わからないな。

M: ところで、前半の結婚式の様子で、アメリカなのに、どうして、ロシアっぽいの

  かなと思ったの。玉ねぎ頭の塔をもつ教会だし、あれって、ロシア正教会って

  こと?披露宴でも、ロシア民謡が流れるし、なんだろうって思ってたら、

  あの辺は、ロシア移民が住んでる場所なのね。だから、教会もそうなのよ。

G:最近、移民のことが、話題になるだろ。トランプ政権が、メキシコ国境に

  移民を入れないために、高い塀を築くとか、日本でも、移民とは言わないけど、

  外国人労働者の受け入れ緩和の法律が通ったし、

  1960年代のアメリカは、すでに移民の国として、確立していたんだと

  いうことがわかるね。ロシア系アメリカ人の居住区だったんだな。

  でも、日本人から見れば、やっぱりアメリカ人なんだよね。

M:ところで、メリル・ストリープが若くて、やっぱりきれい。

  あの頃、まだ新人のころでしょ。いやー若くて、きれい。

  ロバート・デ・ニーロとは、『恋におちて』で、共演していると思ったけど、

  もっと前、この映画でも、共演してたのね。

  いまでは、どちらも、大御所の俳優さんになっているけど。

  40年の歳月、第一線でやってるんだから、すごいわよねえ。

G:1970年代の映画って、硬派で、考えさせられる映画が沢山出来ただろ。

  でも、現代は、なんか軽い感じのしか出ない。もちろん、イラン・イラク戦争を

  扱ったものも作られたけど、最近はない。

  つまり、戦争という人間を極限に追い詰める状況があると、人間の悲哀を

  描くのに、いい素材になるけど、今はそういう状況がない。いい意味では、

  平和でいいことなんだけど、こう胸をぎゅーっとつかまれるような映画は

  出てこないよね。豊かになりすぎるのも、感動作を生まない感じがする。

M:でも、今だって、社会問題は、沢山あるわよ。それらをとりあげるか

  とりあげないかは、映画人の感性の問題になってくるから、

  仕方ないわね。でも、この映画を見ても、1970年代の映画って

  本当に骨太な映画が多いわね。日本映画もそうかもしれないけど。

  今は、技術はとっても進歩しているけど、どこか軽い映画ばかりの

  ような気がする。平和なんだからしょうがないといえば、そうなんだけど。

  でも、目に見えない危機がそこまできているような気がするんだけど。

G:人間、危機が過ぎて、最悪な状態にならなければ、目が覚めない
 
  んじゃないかな。この映画と同じ。今は、この映画の前半部分に

  いるようなものなのかもしれない。

  俺は、この映画を見て、長年の宿題をやっと終えたみたいな気がする。

  いい映画だよって言われて、ずーっと見てなくて、やっと見れたから。

  でも、今、見て良かったと思う。なんとなく、この映画の意味がわかった

  ような気がするから。公開当時見たとしても、たぶん、わからなかったろうな。

  


  

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