愛、アムール

M:こんにちは。ミッシェルです。

G:どーも ジョージだよ。久しぶりだね。
  ちょっと 近親者に不幸があって、ばたばたしていたから、映画鑑賞どころじゃ
  なかったんだ。

M:そうそう、初めての身内のお葬式。伊丹十三監督の『お葬式』を思いうかべちゃった。
  おじいちゃんが亡くなったから、まさにそうね。おじいちゃんといっても父親なんだけど。

G:脳梗塞で倒れて以来、10年くらいは 入退院を繰り返して、この3年は、ずうっと病院の
  療養病棟にいて、昨年から食べられなくなり、点滴になり、中心静脈栄養になり、
  どんどん弱っていって ついにすーっと静かに息を引き取ったという感じだったね。

M:まあね、あまり苦しんでいる感じはしなかったけど、3年もベットの上でチューブにつながれて
  生きているというのは、当人にとってはどういうことかしら?ほとんどしゃべりもしなかったから
  どういう気持ちで生きていたかは、私にもわからないわね。

G:ということで、この映画『愛、アムール』は見たかったんだ。当事者としてだね。
  親の介護している人は、沢山いると思うけど、この映画はわかるよなあ。
  俺の感想としては、ちょっときれいに描きすぎているけど、人によって違うけど
  介護の現場は、もっと壮絶だよな。

M:まあね、この映画は、きれいに描いていたわね。でも、すごく共感できたわ。
  アカデミー賞に選ばれるのもうなずけるかな。昔から 老人はいて、介護する人も
  いたはずなんだけど、今、やたらと介護現場にスポットが当たるのも、
  高齢者がどの国も増えているからなんでしょうか?

G:日本は、その中でも、特に急激に高齢者が増えているんだろ?
  老人ホームも数が追い付いていないかもね。

M:この映画にあるように、老々介護は、厳しいのよ。ジョルジュだって
  80歳を越えたおじいさんでしょ。毎日、奥さんの 面倒は無理よ。
  だいたい3ヶ月が限度みたいよ。うちもまさに、3ヶ月目に おばあちゃん
  母親ね、ダウンしてどうしようもなくなって 入院させたんだもの。

  身体の自由がきかない人を世話するのは、本当に体力がいるのよね。
  だから、早く介護認定を受けて、ヘルパーさんに来てもらわないと
  二人で自滅しちゃうわよ。

  ジョルジュが、奥さんに脱水症状にならないように水をあげるところなんか
  泣けてくる。病人のほうは、身体の自由がきかないし、口も思うようにきけないから
  食べたくないときは、口を閉じるしかないわけだけど、世話してる人にとっては、
  こんなに一生懸命やってるのに どうして飲んでくれないとか食べてくれない
  とか 思うとおりにならないから 嫌気がさして、ぶったりすることもあるかも
  ですよ。うちの母親も、けっこう 怒鳴ったりしてたし。

G:そうだったよなあ。世話するほうもされるほうもつらいよなあ。
  だから、専門の看護師さんに やってもらったほうがいいんだよね。
  
M:でも、お金かかるのよね。先が見えない入院生活は、経済的にも
  家族に過酷なの。病院は、事務的に入院費の請求書を出してくるけど
  それ見るたびに、心の中で「キャーこんなに 払うの!」って
  思ったもの。でも、父が入院している限りは払わなきゃならないから
  かなりきついわよ。父の貯えがどんどん減っていったもの。
  貯えがなければ、入院だってさせてあげられないし、本当に 介護現場は
  体力的にも、精神的にも、経済的にも過酷です!

G:最後さ、ジョルジュが 枕で奥さんを窒息させるだろ。あれは、かわいそうだよな。
  それはいけないことと頭ではわかっていても、うーむありえるかも と思うなあ。

  時々、ニュースで老人が奥さんを殺したということが報道されるけど
  うーむと思っちゃう。殺したくて殺すわけじゃないからね。
  ああなると、介護するほうもされるほうもつらいからね。

  どう考えたらいいのかね。

M:『レベル7』という小説のドラマ化されたものを見たことあるけど、
  超高齢化社会になると 本当に尊厳死というものを真剣に考えなくちゃ
  いけないかもしれないわね。どこまで、生かしていかなきゃいけないのか
  本人の意思はどう反映されるのか 家族の気持ちの折り合いをどうつけるのか
  いろいろね。医学が発達して、延命治療がいろいろあるけど、あれで
  本当に生きているといえるのか とか 考えちゃう。もし、自分だったら
  延命はやめてもらいたいけど、家族の気持ちは、やらなくちゃと
  思うでしょ。

G:命は大事だけど・・・

M:長期間入院してた父が亡くなって、ある意味でほっとする部分と
  人間生きていることだけで なんか存在感があったなあと
  亡くなってみて思う。何もしなくても生きてるだけで価値があるというか。
  亡くなってみるとやっぱり、ものたいりないというか
  喪失感というか ぽっかり空虚な感じが あるわよね。

  うーん、答がみつからない!

G:映画のほうにもどるけど、ジョルジュもきっと一緒に旅立ったんだよね。
  
M:うんそう思う。二人で仲良く 旅だったんだと思う。
  なかいい夫婦は、後追うっていうし。
  
  私のおばあちゃんは、おじいちゃんのちょうど半年後に亡くなったもの。
  おじいちゃんの後追ったんだなあと思ったし。

  でも、いいなあ、二人で旅立ちたいわよね。やっぱり。 
  一人残されるのはいやだなあ。

  ところで、私、ジャン・ルイ・トランティニヤンのファンでして
  『男と女』で超カッコよかったし。

G:ああ、だから 奥さんの名前 アンヌなのか?

M:おそらくこの夫婦も 若いときは美男美女カップルだったことでしょ。

  でもね、誰にも老いは訪れて、あああの美しいジャン・ルイ・トランティニヤンさまが
  こんなおじいちゃんになっちゃたのね!とちょっとショックでもありました。

  38歳のあの時はさっそうと歩いていたのに、今はちょっと足をひきずって。
  髪の毛もねえ、薄くなってしまいました。

  誰にも訪れる老いだけど、直視するのは、かなり勇気が必要だわ。

G:だから、彼らは偉いよね。若かりし時を全世界の人が知っていて
  ミッシェルのように思う人がかなりいると予測されるにもかかわらず
  あえて 老人になった姿をスクリーンにさらしている
  わけだから。偉いよ。体張って 俳優業を全うしているし。

M:そうよね。偉い!彼らの俳優魂はすごい!

  ということで、介護している方、老いも若きも考えなくちゃいけない切実なテーマ
  なので、見てほしいですよね。答はないけど、うーむと考えるだけでもいいかも。


  

   

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